回収KPIの運用Q&A(教育用スライド台本)
回収KPIの運用Q&A(教育用スライド台本)
KPIは意思決定の最短距離。本稿は、#78ダッシュボードを前提に、DSO/CEI/期限超過率/相殺率/EWS赤比率の 読み方→打ち手→エスカレーションを、90分の研修用に台本化。スライド骨子・演習・Q&A・小テスト付き。
研修アジェンダ(90分)
- 導入:KPIの目的(5分)
- 主要KPIの定義・読み方(20分)
- ダッシュボード操作&アラート(10分)
- 演習ケース①〜③(35分)
- 小テスト&答え合わせ(15分)
- まとめ&現場落とし込み(5分)
スライド骨子(全20枚)
- タイトル/本日のゴール
- KPIは「測る→決める→動かす」(#81)
- KPI全体像:売上→請求→入金→回収→保全(#58/#66/#75)
- DSOの定義・式・落とし穴
- CEI(Collection Effectiveness Index)の解釈
- 期限超過率(バケット別)
- 相殺率(承認済みのみ/#76)
- EWS赤比率と出荷判定(#73/#74)
- KPI→打ち手マトリクス(黄/赤の標準処方)
- チャネル×通貨×顧客ランクのセグメント(#78)
- アラート→チケット→SLO(#73)
- ケース①:DSO悪化×CEI改善
- ケース②:超過90+急増×赤比率上昇
- ケース③:相殺率の暴走
- KPIのガバナンス(定義書/監査ログ/権限)
- 現場の反論に対する返答集
- 小テスト(10問)
- 現場定着チェックリスト
- ロードマップ:30/60/90日
- まとめ・次アクション
話し台本(要点とキーフレーズ)
- 導入:「KPIは数字の物語の見出し。見出しを読んだら次の一手を決める。」
- DSO:「残高の重さ。返品/相殺控除の純売掛で算出しよう。」
- CEI:「期間内の回収効率。運用改善の手応えが出ているかを見る。」
- 期限超過率:「バケットの移動速度を追う。90+は法的保全の準備。」
- 相殺率:「承認済みのみ。未承認控除は支払停止(#76)。」
- EWS赤比率:「赤は90分以内着手(SLO)。出荷は自動ホールド(#74)。」
- 結び:「KPIは行動に変換できてこそ価値。標準処方を使い倒そう。」
KPI定義と“動かし方”Q&A
| KPI | よくある疑問 | 答え(打ち手) |
|---|---|---|
| DSO | 出荷増で分母が揺れて比較しづらい | 90日移動平均売上を採用。純売掛(返品/相殺控除)で統一。 |
| CEI | 一時的な大口入金で跳ねる | 前月比だけでなく四半期移動も併記し、異常値は注記。 |
| 期限超過率 | 30→60→90+へ雪だるま化 | +7日で分納提案(#80)、+14日で保全着手(#75)。 |
| 相殺率 | デビットノートで恒常的に高止まり | 承認フロー徹底、当月限定ネットティング(#76)。 |
| EWS赤比率 | 赤が多くSLOが回らない | 金額閾値で優先度を自動付与、90分以内着手をKPI化(#73)。 |
演習ケース(3本)
- ケース①:DSO↑、CEI↑、赤比率→。
問い:この組み合わせの示唆は?
解説:遅延は残るが運用改善中。条件付出荷を継続し、サーチャージ別行で粗利を保護(#77)。 - ケース②:期限超過90+↑、赤比率↑、相殺率→。
打ち手:+14日で保全、第三債務者通知&仮差押準備(#75)。分納は公正証書+担保(#80)。 - ケース③:相殺率↑、CEI→、DSO→。
打ち手:相殺統制(当月限定・根拠必須)を再通達、未承認控除は出荷停止(#76/#74)。
小テスト(10問)
- DSOは何で割る?(答:過去90日売上/90)
- CEIは何を示す?(答:期間内の回収効率)
- 期限超過90+の既定打ち手は?(答:保全準備/弁護士催告)
- 相殺率に含めるのは?(答:承認済み相殺のみ)
- EWS赤の対応SLOは?(答:90分以内着手)
- DSO算出の売掛は何ベース?(答:返品/相殺控除後の純売掛)
- 分納の原則担保は?(答:保証/譲渡担保+公正証書)
- 未承認控除が常態化したら?(答:支払停止・ネットティング限定)
- 多通貨の換算方針は?(答:売上=期中平均、残高=期末、CF=実勢/#78)
- 例外承認はどう管理?(答:台帳で期限・金額・条件を明記/#81)
現場定着チェックリスト
- 指標定義書(式・分母分子・除外)が配布済み(#78)
- 赤黄緑の基準と初動48hがSOP化(#66/#74/#81)
- KPIカードから案件IDの証跡に1クリック遷移(#72)
- アラート→チケット→SLOが自動連動(#73)
- 相殺は当月ネットティングのみ(#76)
- 分納は担保+公正証書が原則(#80)
FAQ
Q. DSOとCEIが逆行したらどちらを重視?
短期はCEI(運用の手応え)を重視、四半期ではDSO(残高圧縮)で評価します。両者の方向性が3か月以内に収斂する設計を。
Q. KPIが悪化した時、営業が反発します。
条件付承認メニュー(前受/サイト短縮/部分出荷)を用意し、売上を残しつつ回収を守る選択肢で合意を形成(#74/#77)。
Q. 各部門で式の解釈が違います。
式は1つに統一し、見方は“ビュー”で共存。定義書とダッシュボード内の情報アイコンで常時開示(#78/#81)。
ご相談・支援メニュー
- 90分研修スライド&話し台本のカスタマイズ(業界別)
- ダッシュボードKPI定義書・指標辞書・監査ログ設計(#78/#81)
- アラート連動のSLO運用(#73)と出荷判定APIの実装(#74)
- 営業・CS向けコーチング(条件付承認メニューの現場運用)
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