事業計画書:金融機関が“最初に”見る3枚とは
金融機関に融資を申し込む際、提出する事業計画書は何十ページにもなることがあります。
しかし、実際のところ、担当者が最初から最後まで丁寧に読むわけではありません。
特に初期審査の段階では、事業計画書の中でも「最初に確認される3枚」が存在します。
この3枚で「読む価値があるか」「融資の可能性があるか」がほぼ判断されるため、ここを押さえておくことが極めて重要です。
なぜ“最初の3枚”が重要なのか
- 金融機関の担当者は短時間で多くの案件を審査している
- 第一印象で「読みたい」と思わせる必要がある
- ここでの印象が良ければ、その後の詳細部分も丁寧に見てもらえる
金融機関が最初に見る3枚
① 表紙・概要ページ
事業の顔となる1枚
- 事業名・屋号・会社名
- 代表者名・連絡先
- 事業のコンセプトやミッション
- 短くキャッチーな概要文
金融機関はまずこのページで「何の事業なのか」「誰がやっているのか」を把握します。
見やすいレイアウトと簡潔な説明で、担当者の興味を引きましょう。
② 損益計画表(収支計画)
数字で示す事業の将来像
- 売上予測とその根拠
- 経費・人件費・原価の見積り
- 営業利益・経常利益の見込み
- 黒字化までの期間
単なる数字の羅列ではなく、予測の根拠が明確であることが重要です。
「なぜその売上になるのか」を説明できる裏付けを準備しておきましょう。
③ 資金繰り表
返済能力の確認に直結
- 資金の流入・流出予定
- 融資実行後の資金残高推移
- 毎月の返済額と支払い余力
- 運転資金と投資資金のバランス
返済能力を示す最重要ページです。
特に「融資実行後に残高がマイナスにならないか」を金融機関は注視します。
“最初の3枚”を作成するコツ
- 簡潔に、かつ要点を外さない — 長文よりも短く明確に
- 数字に根拠を持たせる — 客観的データや実績を添える
- 視覚的に見やすく — 表・図・色分けで理解しやすくする
- 読み手の視線を意識 — 左上や冒頭に重要情報を配置
まとめ
融資審査の現場では、事業計画書の全ページを最初から細かく確認する時間はほとんどありません。
だからこそ、金融機関が“最初に”見る3枚に力を入れることが、融資成功の近道です。
まずはこの3枚をブラッシュアップし、担当者の心を掴みましょう。
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