補助金申請と融資計画を同時進行させる方法
事業資金の調達方法として、補助金と融資は性質が異なりますが、同時進行で進めることで資金計画の安定性が高まります。
ただし、両者の申請時期や必要書類には違いがあるため、戦略的に進める必要があります。
同時進行のメリットと注意点
- 先に融資で資金を確保し、後から補助金で回収できる
- 補助金採択は時間がかかるため、キャッシュフローの空白を融資で埋められる
- 補助金の条件によっては融資の使途と整合させる必要あり
同時進行の3つのステップ
① 補助金の公募スケジュールを確認
年間スケジュールを把握
- 公募開始日・締切日をカレンダー化
- 採択発表日と交付決定日を確認
- 事業実施期間と支出期限を明確に
補助金は採択から入金まで数か月かかります。
事業スケジュールとズレがないよう事前に全体計画を立てましょう。
② 融資計画との整合性を取る
資金使途と金額を一致させる
- 融資と補助金で重複計上しない
- 融資額は補助金入金前の資金繰りをカバーできる水準に
- 資金使途を融資契約書・補助金申請書で統一
金融機関は補助金の有無をプラス評価しますが、資金使途の不一致はマイナス評価になります。
③ 両方に対応できる事業計画書を作成
提出先ごとに調整
- 補助金は「公的支援にふさわしい効果」を強調
- 融資は「返済能力と安全性」を強調
- 共通部分(売上予測・市場分析)は一貫性を保つ
書類を2種類作るより、ベースは1つで項目ごとに強調点を変える方が効率的です。
実務上のポイント
- 資金繰り表に両方を反映: 補助金の入金時期を現金収支に反映
- 証憑管理を徹底: 補助金は領収書・契約書・発注書の保存が必須
- 金融機関との共有: 補助金申請の進捗を都度報告すると信頼度UP
まとめ
補助金と融資は性質が違うため、同時進行にはスケジュールと書類管理の工夫が必要です。
公募スケジュールを押さえ、資金使途を一致させ、提出書類は一貫性を持たせることで、資金計画の安定性が高まります。
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