経営者必見!資金繰り改善のためのキャッシュフロー分析法(実例付き)

経営者必見!資金繰り改善のためのキャッシュフロー分析法(実例付き)

経営者必見!資金繰り改善のためのキャッシュフロー分析法(実例付き)

黒字でも資金ショートは起こる——原因は“キャッシュの動き”を見ていないから。営業・投資・財務の3つのCFを分解し、実例ベースで改善アクションまで解説します。

キャッシュフロー分析の基本構造

区分内容主な項目
営業CF本業による現金の出入り売上入金/仕入支払/人件費/諸経費
投資CF将来の収益を生む投資と回収設備購入/ソフト導入/固定資産売却
財務CF資金調達・返済・配当借入増減/社債・株式/返済・配当

損益の黒字=現金が増える、とは限りません(売掛・棚卸・償却・返済の影響)。

改善ポイントの見極めフロー

① 月次試算表から営業CF(入金・出金タイミング)を把握
   ↓
② 投資CF:大型支出(設備・更新)の有無と時期を確認
   ↓
③ 財務CF:借入返済スケジュール(元利・据置)を確認
   ↓
④ 手元資金と翌月以降の資金繰り表へ反映し不足月を特定
      

実例:A社(製造業)のケース

状況

  • 年商2億円・黒字決算なのに資金繰りが慢性的に厳しい
  • 仕入先への支払延期が常態化

分析結果

  • 売上入金60日/仕入支払30日で入出金のズレ
  • 機械更新で一時的に1,500万円の投資CFマイナス
  • 短期借入の返済集中(月次CFを圧迫)

改善策

  • 支払サイト延長交渉(30→45日)で営業CF改善
  • 短期→長期の借換えで返済平準化(財務CF安定)
  • 機械導入はリース化し初期キャッシュアウトを分散

今すぐ使える改善アクション

改善策効果注意点
売掛回収の前倒し(前受・早期割引)手元資金を素早く増やせる価格条件・信用維持のバランス
支払サイト延長(契約・仕入先交渉)出金の遅延で資金繰り改善過度な延長は信用低下リスク
在庫圧縮(ABC分析・安全在庫最適化)資金の固定化を防ぐ欠品・機会損失とのトレードオフ
借換え(短期→長期・金利見直し)月次返済の平準化・利息削減諸費用・総コストで比較
リース活用(設備資金の分割)初期負担を軽くしCF安定総支払額と残価条件を要確認

図解:CF構造と改善の方向性

┌──────────────────────────────┐
│ 営業CF  ↑  入金を早く・出金を遅く(回収・サイト・在庫)     │
├──────────────────────────────┤
│ 投資CF  ↓  初期投資を分割・時期調整(リース・段階投資)       │
├──────────────────────────────┤
│ 財務CF  ↑  長期化・借換えで月次を平準化(据置活用含む)       │
└──────────────────────────────┘
      

まとめ(チェックリスト)

  • 入金・出金のタイミングを月次資金繰り表に反映しているか
  • 投資計画はCF視点で段階化・分割化できているか
  • 返済スケジュールは繁閑に合わせて最適化されているか
  • 金利+1.0%シナリオでも月次CFはマイナス化しないか

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Shige