事業計画書で絶対に書いてはいけない3つのNGワード
事業計画書は「信用を獲得するための文書」です。
よかれと思って使った言葉が、金融機関の不信感につながることがあります。
ここでは、審査現場で嫌われやすい3つのNGワード群と、通る言い換えを整理します。
要注意ワードと通る言い換え
① 過度な確約表現
「必ず」「絶対」「確実に」「間違いなく」
- リスク無視と受け取られ、逆効果
- 数字の根拠が乏しい印象に
- 面談で突っ込まれやすい
◎ 言い換え例:
「想定シナリオでは」「確度の高い見込み」「過去3件の受注実績から妥当」「〇〇の前提が維持されれば」
② あいまい・拡散表現
「幅広く」「等々」「SNSで拡散」「誰でも」
- ターゲット不明=売上根拠が弱い
- 実行プロセスが見えない
- 費用対効果を測れない
◎ 言い換え例:
「30~50代男性のうち都内勤務者4.2万人」「SNS広告はCPC150円、CVR2.0%想定」「既存顧客1,200名へリターゲティング」
③ 根拠なき優位性アピール
「日本一」「業界初」「圧倒的」「爆発的」
- 出典が無いと誇大表現と判断
- 面談で証拠提示を求められる
- 信用毀損のリスク
◎ 言い換え例:
「主要5社比較で平均単価▲12%(当社調査・2025年6月)」「導入3社の平均稼働率+18%」「特許第〇〇号により模倣困難」
面談での言い換えテンプレ(そのまま使える)
NG | OK(面談での言い回し) |
---|---|
必ず黒字化します | 標準シナリオでは10ヶ月で黒字転換を見込んでいます(根拠は××)。悲観ケースでも月次CFは+を維持します。 |
SNSで爆発的に拡散 | SNS広告はCPA4,000円を上限に入札。月10万インプレッションでCV50件を目標にします。 |
業界初のサービス | 主要5社比較で納期は平均▲2日。差別化要因は内製ワークフローと自社特許(第○○号)です。 |
チェックリスト(提出前の最終確認)
- 強い断定表現を条件付き表現に置換したか
- ターゲットとKPIが数値で定義されているか
- 優位性の主張に出典・証拠が付いているか
- 標準・楽観・悲観の3シナリオを用意したか
- 数値は資金繰り表と整合しているか
まとめ
事業計画書は「希望」よりも「再現性」を評価されます。
NGワードを避け、前提・根拠・数値・代替案をセットで示すことで、審査側の不安を取り除き、信用を獲得しましょう。
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